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せどりで開業届を出すタイミングは?3つの注意点と合わせて紹介

せどりで開業届を出すタイミングに悩む人も、多いのではないでしょうか。

結論から言いますと、基本的には「事業を始めてから1か月以内」に提出する必要があります。

一方で、出すタイミングによっては損をしてしまう可能性がありますので、十分に検討してから出すようにしたいところ。

この記事では、せどりで開業届を出すタイミングと3つの注意点について紹介します。

せどりで開業届を出すタイミング

冒頭でも紹介したように、せどりで開業届を出すタイミングは「事業を始めてから1か月以内」です。

この章で詳しく見ていきましょう。

基本的には事業を始めてから1か月以内

所得税法第229条に書かれているように「不動産所得・事業所得」のいずれかが発生してから1か月以内に開業届を出さなければなりません。

居住者又は非居住者は、国内において新たに不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始し、又は当該事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け、若しくはこれらを移転し若しくは廃止した場合には、財務省令で定めるところにより、その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があつた日から一月以内に、税務署長に提出しなければならない。

引用元:所得税法 第229条

後ほど詳しく紹介しますが、副業の場合は所得によります。

遅れても怒られることはない

この記事を読んで「出すの忘れてた!」と気づいた人もいるでしょう。

しかし、開業届が遅れたことで怒られたり、罰金を取られたりということはありません。

もし出し忘れている人がいれば、今からでも遅くないので出すようにしましょう。

私も開業届を出していますが、閑散期であれば30分足らずで手続きが終わりました。

副業は所得によるが得は少ない

一方で、副業の場合は所得によります。

そもそも「年間20万以下の売上」であれば、確定申告をする必要がありません

この場合は「事業所得」とは言えませんので、開業届を出す必要がないでしょう。

また、副業で年間20万円以上の所得があったとしても、「本業」でなければ開業届を出してもあまり恩恵を受けられません。

なぜなら、副業では「雑所得」と扱われ、開業届を出すことで控除が受けられる「青色申告」でも通常の「白色申告」でも変わらないため。

屋号付きの銀行口座を作れるといったメリットもありますが、所得控除ほどの大きなメリットはありません。

ただし、開業届を出していなくても、年間20万円以上の所得であれば確定申告の必要がありますので注意しましょう。

せどりで開業届を出すタイミングにおける注意点

また、せどりで開業届を出すタイミングには注意点があります。

以下の3つについて詳しく見ていきましょう。

  • 収益が出ている場合、年越しまでに提出する
  • 配偶者の扶養に入れなくなる
  • 失業給付がもらえなくなる

注意点①:収益が出ている場合、早めに提出する

1つ目は年末年始に関する話です。

年末の確定申告では、開業届のタイミングにかかわらずその1年間の所得を申告します。

もし年を越してから提出した場合は、最大65万円分の控除を受けられる「青色申告」ができません。

例えば、2021年12月から事業を始めて、まだ開業届を出していなかったとしましょう。

2021年12月末までに開業をしておけば、2021年の所得も「青色申告」の対象になります。

しかし、開業が2022年1月以降になると、青色申告による控除を受けることができません。

1年間、予定より多く税金を支払う必要がありますので、必ず年越しまでに提出しましょう。

注意点②:配偶者の扶養に入れなくなる

2つ目は「配偶者の扶養」に入れなくなることです。

税法上の扶養では、扶養者の給与所得が103万円以下であれば開業届を出していても扶養の対象となります。

しかし、注意すべきは「健康保険上の扶養」で、健康保険組合によっては「収入にかかわらず個人事業主は入れない」ということも。

扶養に入っている場合は、事前に扶養先の「健康保険組合ルール」を確認しておきましょう。

注意点③:失業給付がもらえなくなる

3つ目は「失業給付」がもらえないことです。

退職した会社で雇用保険に入っていた場合、失業給付をもらうことができます。

(雇用保険の期間や失業給付がもらえる期間は、年齢などの条件により異なる)

失業給付をもらえる条件は、以下のようになっています。

  • ハローワークで求職の申し込みを行う
  • 就職しようという積極的な意思がある

したがって、「開業届を出す=企業に再就職する気がない」とみなされ、受給要件を満たしません。

また、開業届を出しながらも失業給付をもらうことがバレて「不正受給」とみなされた場合は「支給額の3倍」を納付する必要があります。

開業届を出すタイミングや会社を辞めるタイミングを、慎重に見極めましょう。

まとめ:せどりで開業届を出すタイミングは原則1か月以内

この記事では、せどりで開業届を出すタイミングについて紹介しました。

せどりで開業届を出すタイミングは、事業を開始してから原則1か月以内です。

ただし、副業の場合は所得によりますが、「開業届の恩恵を受けにくい」と考えておきましょう。

また、開業届を出すタイミングにおける、以下の注意点も忘れないでくださいね。

  • 収益が出ている場合、年越しまでに提出する
  • 配偶者の扶養に入れなくなる
  • 失業給付がもらえなくなる

この記事が、開業届に関する疑問の解決になれば、私は幸いです。